石巻の今 ときどき世界

地元新聞の元記者が石巻・東松島・女川の観光や食、漫画、猫、震災・防災などの地元情報を紹介します。ときどき世界のまち歩きも書いていきます。

雨の中、市民手作りの大震災追悼3.11のつどい

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◎東日本大震災から9度目の3.11を迎えた。石巻市南浜の「がんばろう!石巻」看板周辺をメイン会場とする市民手作りの「東日本大震災追悼3.11のつどい」は、初めての雨の中での開催となったが、準備に関わった人たちの一丸となった努力で実現に漕ぎつけた。

 雨の中でボランティア奮闘

 震災の翌年から毎年開催している「3.11のつどい」は、「がんばろう!石巻の会」と、市民団体や個人有志の実行委員会が主催し、関係機関・団体、ボランティアが協力している。 

 当日は朝から予報通りの風雨。実行委スタッフやボランティア約100人が、テントの中で灯籠を作り、隣接するビニールハウスなどに一時保管する。雨具を着ているとはいえ、ぬかるむ地面に気をつけながらの運び出し作業は重労働だ。会場に雨水がたまってきたことから、溝を掘って排水をするボランティアもいた。

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灯籠を手作りするボランティア

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たまる雨水の排水作業

手作り灯籠の灯りに冥福祈る

 そんな中、犠牲者を追悼するため、午前中から献花に訪れる市民の姿があった。午後2時46分には約400人が黙とうを捧げ、全員でバルーンを放ち、犠牲者に思いをはせた。

 夕方になると雨がやみ、看板周辺に円を描くように並べられた灯籠約3,600個のろうそくに火がともされた。市民や被災地に寄り添う人々が、思い思いの言葉を書いた灯籠もあった。

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黙とうの後、空にバルーンを放つ

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円(縁)を描くように並べられた灯籠

 実行委員長の黒澤健一さんは「円は縁、つながりを意味している。亡くなられた方と遺族、家族同士、震災後に訪れたボランティアや支援者らとのつながりを大事にしたいとの思いがある」と話していた。

 命を守る防災・減災を考えるきっかけに

 地震はいつ、どこで発生してもおかしくない。沿岸部にいれば、津波も想定しておかなければいけない。もちろん、水害もある。実行委メンバーもボランティアも、つどいに込めた思いは追悼だけではない。そうした災害から一人でも多くの命を救いたい、という思いがある。あの大災害を忘れず防災・減災を考えるきかっけにしてほしい。

 会場は国・県・石巻市が整備を進める石巻南浜津波復興祈念公園の「市民活動エリア」に位置する。犠牲者を追悼し、併せて公園を訪れる人に、また後世に震災の教訓を伝承する役割がある。完成は2020年度中の予定。関係者が知恵と力を出し合ってより良い形で誕生することを期待している。