石巻の今 ときどき世界

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第2回東北被災地語り部フォーラム2019の報告(その2:分科会)

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 東日本大震災の伝承の在り方を考える「第2回東北被災地語り部フォーラム2019の報告その2」は、三つの分科会のうち、「『KATARIBE』(語り部)を世界へ」について紹介する。

 【登壇者】 

コーディネーター:

 白井純さん(東京都・東芝国際交流財団の)

パネリスト: 

 フラヴィア・フルコ さん(イタリア出身・富山大学都市デザイン学部特命助教)

 鄧暁嘉さん(中国出身・ariTV㈱スタッフ)

 アジザユニ さん(インドネシア出身・ariTV㈱スタッフ)

 許妤庭さん(台湾出身・留学生=国立高雄第一科技大学学生)

 阿部璃加子さん(南三陸町出身・白百合学園高校3年生)

 語り部の仕組みは世界でも大切

 パネリストは初めに自己紹介を兼ねて意見を述べた。鄧さんは、仙台のインターネットテレビ会社ariTV株式会社に勤務し、SNSでの情報発信やテレビの取材もしている。訪日観光だけでなく、日本に住んでいる外国人のためにも就職支援や貿易もやっていきたいと語った。

 アジザユニさんはイスラム教徒も仙台でイスラム教徒(ムスリム)向けの活動をし、ariTVではムスリム対応チームのリーダーをしている。

 許さんは台湾・高雄市にある高雄第一科技大学の学生で、札幌の大学に留学中。南三陸ホテル観洋でインターンの経験がある。台湾の921大地震の時は2歳だった。「台湾では、修学旅行などで921地震教育園区(震災遺構のある科学館)に行く」と紹介した。

 阿部さんは映像を使って「世界の災害から命を守る」をプレゼンテーションした。5か国に行って大震災や防災の話をしたが、地震のほとんどないフランスの中学生は関心が薄く、うまく伝わらなかったという経験を紹介。「災害体験がないと他人事になる。でも旅行した時に災害に遭うかもしれない。その時、生き残れるか。自分事にすることが大切」と訴えた。

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発表する阿部さん

 フルコさんも映像を見せながら「語り部の仕組みは世界でも大切」と話した。これからの語り部の在り方については①復興が進んでどう変わるか②被災体験のない人が多くなる。どうすればいいか③みんなが語り部というが、外国語ができない人がほとんど。外国人対応できる語り部を増やしたほうがいいか④何を、誰に語るか⑤2020年東京五輪、2021年大震災10年という時間軸がある-課題を投げかけた。

日本の被災地に来てもらう活動を

  臼井さんは、阿部さんを以外の4人に国に災害の語り部がいるかを質問。全員が「いない。語り部という仕組みがあったらいいし、取り組む必要がある」と答えた。そこで臼井さんは、語り部の仕組みを海外に広げられる方法についても聞いた。

 鄧さんは「多言語対応が必要。英語では分からない国もある。ネットでその国の言語で情報を出しておくことも大切。語り部バスを体験した外国人に発信してもらうこともいい」と提案した。

 アジザユニさんは「ムスリムの国の人を日本に呼びたい。それにはハラル対応が必要。認証されたところがあるともっとムスリムが来る」と指摘した。

 許さんは「台湾から東北にインターン生がたくさん来ている。でも観光客はあまり来ていない。インターン生が家族や友達に語り部のことを伝え、関心を持ってもらうことが、来てもらうことにつながる」と話した。

 阿部さんは「外国人に被災地に来てもらうことが大切。災害がないと、想像しにくい。現地に来ることが大切」と強調した。

 フルコさんは「普通の観光客を呼ぶのも大事だが、海外の被災地から来てもらって話を聞いてもらうことで、語り部を学び、母国に戻って語り部を始めるかもしれない。被災地同士のつながりがいい」と語った。

 フォーラムのパネルディスカッションは、報告その1をご覧ください。

 

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