鳥を追い払う言葉を唱え、ご神木を打ち鳴らして豊作や大漁、家内安全などを祈願
1月11日に始まった宮城県東松島市宮戸月浜の小正月行事「えんずのわり」は14日夜、参加している3人の小中学生が地区の全世帯20戸余りを訪問し、五穀豊穣や大漁、家内安全などを祈願した。
東松島市月浜に伝わる小正月の鳥追い行事
「えんずのわり」は200年以上前から伝わる鳥追い行事。11日から五十鈴神社の岩屋で自炊してきた小学5年生、6年生、中学1年生の男子3人が、岩屋にろうそくを灯した後、松の木の先端を削った2メートルほどのご神木を持ち、先輩たちの指導を受けながら地区の全家庭を回った。
各家庭は玄関や縁側の戸を開けて子どもたちを待つ。子どもたちはその前で「えんずのわり とりょうば(鳥追わば)、かずら(頭)わって…」と唱えて神木を打ち鳴らし、家業の繁栄や健康・安全などを祈る。最後に「陸(おか)は万作、海は大漁、銭金はらめ」と締めくくると、家の主は子どもたちへの御礼にコメやご祝儀などを手渡す。子どもたちの自炊生活は16日朝まで続く。
岩屋にろうそくを灯す
各家庭ではお祝いをの品を準備して子どもたちを迎える
昔ながらにコメをお祝いに提供する家も
ご祝儀も
この日は、岩屋の隣にあったかつての風呂場用の岩屋に、えんずのわり資料館ができた。えんずのわりの起源などの説明板が2枚あり、誰でも自由に見ることができる。
出来たばかりの資料館
11日の様子はこちらをお読みください。